どんぐり学舎

かてごりー:子どもとのくらしの中で

心が育つということ

ここのところ

あまりにも残虐なニュースが多く

子供の前でニュースを見ない我が家でも

新聞の見出しや写真にまで

いつもより注意を払わなければならない状況で

 

「いや、世の中を知るためにニュースだけは見せておいた方がいい」

 

そうでしょうか

 

残虐な事件や、謝罪会見、恐ろしい天災、

仏頂面した大人たちが画面の向こうでなにやら議論している

子どもの世界に、そういうの、必要でしょうか

子どものうちに、知っておくべき、体験しておくべき、ことなのでしょうか

 

「現実を直視させることは重要で、現実は避けて通れないのだから見せるべきだ」

 

本当にそうでしょうか

子どもの発達や、心身の成長を無視して、なんでもかんでも大人と同じものを見せ、

与えることが、重要なことでしょうか

 

以前、メディアの、子どもへの影響についての勉強会をしていた頃、

テレビだけは対象を無差別になんでも流している無法地帯だ、という意見がありました

映画なら一応R指定があるし

本や雑誌や写真集などはお金を払って買いに行かなくてはならない

でもテレビは、どこの家にもあって、ボタン一つで誰でも視聴できる

子どもでも、大人でも

その番組が子ども向けであろうが大人向けであろうが

番組制作者のねらい通りとは限らず

老若男女問わず、誰でも自由に

そう、確かに無差別に

 

それに加えて、最近のご家庭ではインターネットも子どもの自由になっているのか、

最近、生徒たちが「You Tubeでテロリストの残虐な行動をモザイク無しでみた友達がいる」

などと、話題にしていることが多いのです

ここまで来ると、テレビどころの騒ぎではなく、

いつのまにか無法地帯と繋がった家庭のリビングルームは

子どもの心がどう育つかなんて、ほぼ無関心の、危険な場所になっているのではないかと

 

まだ言葉もたどたどしい赤ちゃんがベビーカーの中で

大ヒット中のアニメの主題歌をくり返し、くり返し歌っているのを見ました

低学年の生徒のクラスでは、「スクールカースト」ごっこが盛んで、

だれそれがリーダーで、メンバーに選出されたり、外されたり、そんな日常

ごっことはいえ外されると涙する子、いやな気持ちになる子、続出。当然です…

どうやらなにかテレビドラマの影響のようです

仕事柄、わたしは録画して時々見ている大人向けのドラマを

小中学生が見ていて、そのことを話題にしていることも多々

お笑い芸人が相方の頭を叩くのを普通に真似して友達を叩く子

容姿をバカにする(芸人としてはおいしいのだという)ネタを本気にして、

口を開けばそんなことばかり言っている子

「○○が△△を殺したんだって~」と殺人事件についてあっけらかんと話す子

聞けば朝食の時間は時計代わりにテレビがついていて、

学校に行く前、ご飯を食べながらそんなニュースを見ているのだといいます

これは、そう珍しくもないことばかりですが、正常とは言えません

殺人事件のニュースを見ながらご飯を食べるのですよ

 

優しい気持ち、いたわる気持ち、思いやる気持ち、

そういう気持ちが

そういう心が育っていたら、人は、人を殺したりしない

なんらかの原因でそういう心が育っていない人が

育ててもらえなかった人が

命を粗末にしている

 

テレビと、インターネットだけで考えても

あまりにも大人が、子どもに対する影響を考えもせず安易にスイッチを入れる

それだけ考えても、子どもたちの心が豊かに正常に育つためには

妨害であり

もちろん、それ以外のいくつものものも影響しているけれど

たったそれだけのことでも、

子どもの心は麻痺し、本来の優しさ、思いやりの心、

生き物としての本能、(意味もなく殺し合う生物など他にいないはず)

家族や、友達や、自分を大切に思う豊かな心を失ってしまうのです

 

いつか現実を知ることになる

いつか残酷な事実を目の当たりにし、ショックを受けることもあるでしょう

わたしも記憶にあります

空襲の話を聞いたり、戦争の映画を見せられた後、ヘリコプターの音も恐怖で

しばらく払拭できなかったこと

同世代の女の子が事件に巻き込まれ、被害にあったことの詳細を聞かされてしばらく

ショックでこたつに頭まで潜って何時間も泣き続けたこと

ある程度の年齢だったわたしは

それぞれそのような体験を通して、

戦争に対し、その歴史を学び、現状を知り、怒り、許さないという信念が生じ、

女性として自分の身を守ることについてしっかりと考えるようになり、

少しずつ、大人になってここまで来ました

 

そのような現実を目の当たりにする…させるのは

もっと、子どもの心の成長をじっくり見届けてからがいいと思うのです

そうでないと、育っていない部分に余計なものが入り込み、

本来育つべき部分が育たないまま封をされ、

思いもよらない生き方を選ぶ大人になってしまうかもしれません

 

どんな大人に成長するのか、その鍵を握っているのは家庭です

仕事で疲れていても、体調が思わしくなくても、わたしたち親は、

いま、子どもたちの未来の姿の基盤を作っているひとりだという

自覚を忘れてはいけません

まだ腕の中にいるちいさな子どもなら、

刻々とただ生きるためだけに生きている乳飲み子なら、

その原始的な欲求に応え、安心させ、愛情を注いでいるかどうか

幼稚園や保育園、学校というちいさな社会に出て行っている子なら、

家庭以外の社会で我が子がどう過ごしているか冷静に見ること

現れ出てくる様々な問題を他人のせいにせず、

もちろん子どものせいになどせず、

親としての生き方を振り返ること

 

親だけができる、親がしなくてはならない、重大な仕事です

世間のニュースを子どもに見せる前に

子どもたちの目の前で起こっているできごとに

目を向け、耳を傾けることの方が重要なのです

 

…ちょっと語気が強めなのは…

実際、わたしのすぐ近くで小学校低学年のいじめ問題が起きているからです

大切に、ゆっくりと子育てをしてきた親御さんの子どもが

ターゲットになっています

テレビとゲームと習い事で大忙しのクラスメイトたちの中に

主犯格がいますが、たぶん親御さんは気づいていません

我が子が、よその子に、なにをしているのか

そしてもし知ったとしても、我が子を叱りとばして終わるのでしょう

叱りとばされたその子は、訳もわからず別の捌け口を探すでしょう

だって、叱られたってその子はまだ産まれて10年もたっていない、

つまり、親がそう育てたからそうなっている

どうして

そのことに気づかないのでしょう

どうして我が事と思えないのでしょう

どうしてもっと、我が子に寄り添えないのでしょうか

もしその方法を親御さんが知らないなら、

教えてあげるのは誰でしょうか

問題を解決しようと動き出した学校の先生達は、

どこまで言及できるのでしょうか

 

もっと、子どもと基本的な関係を結びましょうよ

テレビを介さず、会話をしましょうよ

事故も事件も世界情勢もわたしたち大人には重要なことかもしれませんが、

子どもを育てている間には実はもっと重要な問題があるではないですか

 

もっと、目の前の光景を見てください

我が子のいる世界に興味を持ってください

次から次へ起こる事件と、センセーショナルな報道に

神経が麻痺しているのは大人のほうかもしれませんね

ぷろふぃーる
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