どんぐり学舎

かてごりー:子どもとのくらしの中で

「いい加減、目覚めなさい」

もう10年前になるんですね

怖くて面白そうだ、と見ていた連続ドラマの『女王の教室』

主演女優さんも、脚本家さんにも興味があったので、見始めたら衝撃的で、

その当時も見ながらいろいろ考えさせられていたのを思い出します

もちろん、ただの娯楽として軽く見ていただけの人がほとんどだとは思いますが…

 

主人公の「女王」(天海祐希さん演じる担任教師)のセリフが、

今になって話題になっています

 

いい加減、目覚めなさい。

日本という国は、そういう特権階級の人たちが楽しく幸せに暮らせるように、あなたたち凡人が安い給料で働き、高い税金を払うことで成り立っているんです。そういう特権階級の人たちが、あなたたちに何を望んでるか知ってる?

今のままずーっと愚かでいてくれればいいの。世の中の仕組みや不公平なんかに気づかず、テレビや漫画でもぼーっと見て何も考えず、会社に入ったら上司の言うことをおとなしく聞いて、戦争が始まったら、真っ先に危険なところへ行って戦ってくればいいの。

 

凡人が安い給料で働き、高い税金を払う…

今のままずーっと愚かでいてくれればいい…

世の中の仕組みや不公平なんかに気づかず…

テレビや漫画でもぼーっと見て何も考えず…

会社に入ったら上司の言うことをおとなしく聞いて…

戦争が始まったらまっ先に危険なところへ行って戦って…

 

…思わず繰り返して書いてしまいました…

なんでしょう、この「現状」そっくりな、10年前の予言は

 

いましたね、以前にも元首相が衆院選(2000年)を控えて

その勝算を問われて

「無党派層は家で寝ていてくれたらいい(勝てる)」と

正直に言ってしまったことが

(後日、「でもそれじゃあだめだから」と付け加え、訂正したと言いますが…)

国民よ、愚かであれ!

と願われていることがひしひしと伝わってきました

 

もっと以前(1956年だそう)には社会評論家の大宅壮一氏の

「一億総白痴化」という流行語がありました

父がよくこの話をしていたので、わたしは子どもの頃から知っている言葉でしたが、

大人になってその真意を知ると、

わたしが、こんな言葉を教える父に育てられた背景がわかりました(笑)

大宅さんは、テレビの普及に対しこの言葉を(最初は「総」はなくて)記事に書いたそうです

テレビばかり見ていると

想像力も思考力も奪われてアホになるぞ、という、簡単に言うとそういう意味なのですが、

娘さんの大宅映子さんの後日談で、

お父さんがこの言葉を記事に書くきっかけとなったのはとある…当時で言うバラエティ番組で、

神宮球場で行われていた(大学)野球の早慶戦の応援席で、

番組の企画?で慶應側の応援席で早稲田の応援旗を振り、大騒ぎを起こしつまみ出される様子を

おもしろおかしく映した、という場面を見たことだったようです

 

そういえば、

いつのまにかわたしたち視聴者にまで、「視聴率」という概念は浸透していて、

大人になると「ああ、テレビ番組って、

スポンサーのお金で作られているからいろんなしがらみがあるのね~」と

なにを見ても思うようになっていますが、

子どもや、中には、いるかもしれない、

なんにも考えず、なんにも知らずに見ている大人にとっては、

テレビに映し出された状況が、なんとなくそれだけで「正当化」というか…なんというか…

テレビで言ってたから、いい

テレビで見たから、本当

みたいな感じで、いつの間にか、人の価値観でさえ変えてしまってきているように見えます

 

お笑いのネタばかり見ている小学生が、平気でひとの頭を叩いたり、

真面目に話している人に競ってつっこみを入れたり、

そんな光景はもう珍しくありません

 

昨日も、ボランティアで小学校に行きましたが、ある子と話していたら突然

気が散ったようでなんだかわけのわからない呪文を唱えながらしれ~っといなくなってしまい

もはや、一対一の会話すら、まともにできなくなっているのか?とびっくりしたのですが…

まあ、いま流行しているお笑いのネタだったようで

わたしが話していてもしれ~っと立ち去ることができるのに驚くまでもなく、

その子にとったらわたしはテレビと同じなので、

話はまだ聞こえているようで、反応はしているのですが、

テレビには背を向けていようが、他のことをしながらであろうが、

関係ないわけで、だから、人との会話も、まるでテレビの前にいるのと変わらないかのようで

 

あまりにも自分の周囲のことさえも知らない

興味がない

テレビの中や、ゲームの世界には興味があるのに、

生身の人間と、自然界のささやかな生き物に、感情移入できない

1ミリにも満たない虫を気持ち悪い、と極度に嫌い、

相手がどんな気持ちで行動、発言しているかに関心を寄せることもない

 

それより、慶應側に早稲田の旗を持って乱入するような、

どきどきするようなおもしろさを、刺激を、求めて「うけ」をねらっている

 

わたしも好きでした

高校生のときは「元気が出るテレビ」の企画に夢中でした

ダンス甲子園や、(やらせと気づきつつも)「初めての告白」や「黄色いハンカチ」、

東大に入ろうね会など、わくわくする企画が好きでしたが、

時にはえげつない企画もあり、

なんてひどいことするんだろう~と

あまり好きではないけど、苦笑しながらも楽しんで見ていました

テレビの中でひどいことをされている「芸能人」は、

それも「おいしい」んだよ、と

結婚してから夫に教わりました…(笑)

まだ子どもはいませんでしたが、その時も直感で、

ああ、子どもが小さいうちはこういうの、見せない方がいいな~って

思ったものでした

子どもには、楽しめないだろう、と直感しました

 

良識があるから、モラルがあるから、ナンセンスが楽しい

ユーモアとして受け止められる

本物を知ってるから、偽物がおもしろい

知識があるから、パロディで笑える

それは大人の楽しみ方であり、

まだ、良識や、モラルを構築中の子どもには、

どんなに言葉で

「こういうことしちゃだめなんだよ」

「これはうそっこなんだよ」

と教えても、

いい手本になってしまうと思ったからです

 

中学の歴史で学ぶのは、国民が血と汗を流してようやく勝ち取った「参政権」です

同じ歴史の教科書の高度経済成長期の資料写真には

街頭に設置されたテレビに群がる人々の姿があります

 

どこの国の話で、いつの話なのでしょう

わたしたちには無関係なことなのでしょうか

こどもたちには「教科書」として配られているのに

わたしたちも、勉強したはずなのに

 

家にいたら、この町にいたら、絶対に見ることができない景色や、生き物や、

競技場でスポーツをする選手たちのことを、

生き生きと映し出してくれるテレビ

早慶戦を忠実に中継してくれていたらよかった

真剣に応援している人たちをおちょくるような企画で笑いをとらずに

それを見て「アホか」とつぶやき、流行語にまでなる言葉を残した評論家の

予言は的中

 

そして「愚か者」は

投票日は寝ていてくれたらいい、という与党のエライ人の願い通りに、

いつのまにか参政権まで放棄して、

今日も「特権階級」の人たちのために汗水流して働き、税金を納め、

いざとなったら前線へ

頭上に飛行機が落ちてきても、文句は言えません

 

大人が目ざめなければ、子どもはそれを手本に成長してしまいます

女王の教室の予言は、実現しつつあります

 

学校では、統率された先生が、子どもを統率しようとしています

自分の子の先生が、

こんなひどいことをいう担任でなくてよかった、と

冒頭の台詞を読んで思いましたか?

わたしには

ただ管理すればいい、ただ言うことをきかせればいい、という

最近の先生達よりずっと

愛ある言葉を発しているように見えます

子どもたちを目ざめさせようと、気づかせよう、という気持ちを込めた

言葉に聞こえます

だからあのドラマが好きでした

あの先生が好きでした

過激だけれど

脚本家も、プロデューサーも、世間からの批判を浴びながらも放映をやめなかったのです

気づいてほしかったから

わたしたちに

きっと

 

 

 

ぷろふぃーる
« 2017年09月 »
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

あーかいぶす

最近の記事

かてごりー

どんぐり学舎 RSSフィードはこちら