どんぐり学舎

かてごりー:どんぐり問題

なぜ、子どもに腹が立つのか

このせわしない世の中のせいで、

昔から変わらない人間の生物的成長、つまり、子どもの発達や成長にも

なんだか「いまどき」のそぐわぬスピードでプレッシャーがかけられ、

「このままでいいのかしら」

「なにかしなくては」

と、多くの親御さんが焦っているのを感じます

 

小学校に入るとすぐに、教科書が配られ、それに沿った授業が展開され、

単元ごとにテストがあって、予定通りに進んでいないと、

「お子さんは心配な状態にあります」と指摘されます

自然派園出身の親子ならなおさら、

その指摘にどっきりしてしまって、「どうしたらよいのでしょう!」と慌てた経験もあるのでは

 

糸山先生の講演の中で、

「なぜ小児科があるのか?」というお話がありました

年齢によって分けているのは確かに、一般的には小児科だけです

それは、

「幼児期にはマイナスの要因が多くあるから」ということでした

たとえば薬剤の使用法、大人と違って、小児には特別な配慮が必要

何をほどこすかじゃなく、何を取り除くか

それは、教育でも同じで、

幼児期に何をあたえるか、させるか、というプラスのことではなく、

何を与えるべきではないか、させるべきではないか、と

マイナスの要因に注意する、ということが重要だということを表しています

 

溢れる情報と時に根拠のない口コミと世相のふらつきのせいで、

世の親御さんたちは迷い、悩み、なにかしなくては、という衝動にかられます

それも、自分が自分のためになにかしなくては、ではなく、

子どもになにか「させなくては」という方向に向かうのです

 

何かが動き出す度に、「あーあ…まただ…」と

私は何年も、何十年も、変わらない思いを抱いたまま、ため息をつくのです

 

子どもは変わっていません

ずっと、ずーっと前から

親御さんには目の前のお子さんしか見えていません

自分の子と、その周辺の子のことが見えているでしょうけれど、

私には、ずっと定点観察してきたたくさんの子どもたちの姿が目に焼き付いています

どうしたら信じてもらえるのでしょう

どうしたら、子どもの育ちを待ってもらえるのでしょう

これは

クロッキー帳7枚に渡って解いた作品

2MX75

いつもは…1ページにちまちまと…薄く、読み取れない絵や字を書くこの子

夏休みに入り、文字が大きくなって色がついて、ページ使いも大胆に…

1学期、いろいろあったね

御両親が、この子のために噛みしめた悔しさと、こらえた涙と、

そして、行動に移した勇気は絶対にこの子に伝わりました

まだまだ、雑かもしれない

大胆…すぎるかもしれない

でも、

何かが変わった?

…そもそも、何かが変だぞ…と気づいたのもどんぐり問題からでした

何かあったのかな?

そんなことも表れる不思議な問題です

 

お宝発掘の1問

3MX54

前回とはがらっとかわった方法で解きました

絵を操作すること…やじるしの効果

わかってきたな、という高学年スタートの6年生

1MX11を正確に解いたのは2年目の2年生

行き詰まった時、わかんないとき、「お宝にする~」と持ってこられるようになるのも

大切なこと

「わかんない」って言葉をつかうと思考が停止するって、糸山先生言ってたよ、と言ったら、

「やばいやばい!つかわないどこ!」ってみんな焦っていたね

大丈夫

「お宝にする」って言えばいいんだよ

でも、

私とじーっと未完成の絵を見ていたら、「あ!」と書き加えて、お宝のはずが、正解へ

絵を描くのも、文字を書くのも、きっと嫌いじゃない6年生の女子

2MX74

情報が集まらないのと、ちょっとした読み違いが玉に瑕だったけど、

ここのところ、整然と描くことに徹しています

ゆっくりでいい、卒業までに、いろんな問題を味わおうね

一度お宝に入りかけて、もう1回考えてみたら、ただの勘違いだったね

自分で気づけて、えらかったよ

最後は年長さん女児の作品

女の子が大好きな、うさぎのおべんとうやさん問題 0MX26

お弁当はショーケースか、棚のようなものに並んでいます

水色の線は、「お弁当箱につけるゴムバンド」なんですって

説明してくれました

男の子と、女の子かな、ふたりで4本の人参を持って、

お弁当をひとつ買いに来たようです

ところが

「5このおべんとうをかうとするとにんじんはみんなでなんぼんひつようでしょう」

ですって!!

さあ、大変…

年長さんは読み聞かせ方式ですから、

私は全ての問題を読み終えるとその場を離れます

見ていないふりして、少し遠くから、見ています

お弁当の並んだ棚…

4本の人参…

じーっと見つめていました…

時々頭が動くので、「もしかしたら、頭の中で考えているのだろうか」と予想はしていました

少し前まで、こんな時、どうしたらよいかわからなくなって

泣きだしてしまったり、

凍り付くようにじーっと硬直してしまったり、

そんな様子だった彼女ですが、

くるりと私をふり返って、

「わかんなくなっちゃったから、かいてもいい?」って聞くのです

…ああ、

描いて考える、ってことを、これまで3ヶ月、言い続けてきて、

時には手本も見せたりしてきましたが、

やはり、その子によって、それをつかむタイミングは違うんだな、と愕然としたのです

「もちろーん!描いてみてごらん」と言うと、

ばばばっと色鉛筆を持ち、一生懸命人参とお弁当箱を描き足し始めました

人参を描いては数え、うううん、なるべく並べて描いていますね、数えやすいようにかな、

そして、お弁当箱を描いては数え、

ついに、5つのお弁当箱と、20本の人参を描き終えました

「わかったよ、じゅうろく!」とクロッキー帳を抱えてわたしのところに来ましたが、

絵は確かに20本…

「おやおや、そうかい。じゃあ、もう一回一緒に数えてみようか」

「うん!いーち、にーぃ、さーん…」

「…」

「……にじゅう!あ!にじゅうだ!」

もちろん、数字もまだ書きませんから、言葉で「にじゅう」と言ったから、

わたしがうすく20と書いて、

「にじゅう…ぼん?」ってふざけると、「にじゅっぽん、でしょ!」と笑いました

おおー!もうすでに、ほん・ぼん・ぽんを使い分けるんだね~なんて当たり前のことに感心

この子の御両親も頑張っています

よくわかっているから、指摘すべきことがあるときは本当につらかったです

ただの友達や、知り合いなら、

「大丈夫だよ、考えすぎだよ、いい子に育ってるんだから、いいじゃない」で済みます

 

言いにくいことを伝えた後、

汚い言葉ですが、逆ギレされたり、または、泣いて落ち込まれたりして、

この仕事をやめようかと何度も思いました

それか、授業料さえ払っていただければなんでもござれ、のおせっかいなしのただの塾を

淡々と経営すればよいのか…?と自問自答もしました

 

でもね、待つことにしたんです

わたしも

私は、ここで、やるべきことをしっかりやるしかない、ってね

それしかできないんですから

それが私の仕事なんですから

 

糸山先生の質疑応答講演の時に、気になる発言をした方がいました

「お子さんの思考力を育てたい、っていう親御さんたちご自身が、

思考力をもっていらっしゃるんでしょうか?」と

糸山先生に直接こたえていただけるチャンスを逃すまいと、みなさん一生懸命、

子どもの現状に関する質問を投げかけていた時でした

 

わーー

キツイなあ…と感じつつ、でもまあ、それもそうなんだよ…と心のなかで独り言

子どもに勉強してもらいたい、さて、親は勉強しているか?

子どもに本を読んでもらいたい、さて、親は読んでいるか?

子どもに優しい子に育ってもらいたい、さて、親は優しくしているのか?

子どもに豊かな思考力を備えてもらいたい、さて、親は…

 

子どもに何をさせるか、なんて考えずに、

まずは自分が学ぶことを

自分が変わることを目標に

その方が、実は簡単です

だって、私たちは大人なんですから

一生懸命子ども(自分じゃないひと)のことを考えているのに、

何の変化もない、何の進化もない、そんなむなしさったらありません

だから、子どもに腹を立ててしまう

期待しているからなんですね

それよりまえに、自分を見よう、という話でした

子どもたちは、親に変わってほしくて、あの手この手で働きかけたり、しないでしょう?

ただ、ただ、一緒にいてほしくて、

一緒に笑っていてほしいだけなんじゃないかな

 

ここんとこ多い、「子どもに腹が立ってしまう」という相談を受け、

私が考えていることでした

 

ぷろふぃーる
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