どんぐり学舎

かてごりー:小学生のこと

分数とのたたかい

どんぐり学舎では小学生と教科書のおさらいをすることはあまりないのですが

わからん帳が提出されるので学校の内容がちゃんと理解できているかはチェックしています

それに、高学年では1問だけ、いま学校で習っていることの確認をすることがあります

冬休みに入り、「よし、じゃあ、2学期に習った内容の1問だけやってみよう」

5年生の授業でのできごとです

27/36 (36分の27)を約分しましょう

「……」

考え込んでいます。できないようです。

それでは

(1/6 ・ 1/18)を通分しましょう

「…あれ…どうゆんだっけな…」

ふーん…では、


 計算しましょう

「あ!これならできる!」

なぬ!?

様子を見ていると…

まず迷いもせずこんなことを書き始めました

それぞれの分数の下に、書いているのは倍数ですね

それで、適当にたくさんの倍数を書いたら今度は

公倍数に○をつけました

いわゆる最小公倍数ですね

それで右側に24を分母とする分数を書き、

分子はどうするのか見ていたらまずは

○をつけた数字が最初の分数の分母から何番目なのか

数えて、その数を分子にかけました

3から24は8番目、と数えて2に8をかけて6,という具合です

それで、まあ、分子同士を足しますよね

それから、

こんなことを書き出しました

分母の24と、分子の31,それぞれを別のところに書いて、

これは、それぞれ約数を書き出しているんですね

それで、「1以外に公約数」がない、と気づくと、

「できました。」

と、やっと完了です

さて………

どうなんでしょうか

確かに、分母の違う分数の計算をする時には、

まず分母を揃えます、それは、最小公倍数で揃えるように普通教わりますが

そうでなくても大丈夫なことは経験をさせればわかるし、もっと最適な方法もあります

まあとにかく分母を倍数で揃えたら、

分子には分母にかけた数と同じ数をかけてやれば等しい分数になりますから、

実際にはこの作業をしていることに変わりないのです

そして最後の分数が、まだ小さくなるかどうか、つまり、約分できるかどうか

ということも…

でも、この子は(この子に限らず最近多いのですが)

最初の「約分しましょう」「通分しましょう」という問題の意味がわかっていませんでした

「やくぶん?つうぶん?」

でも

「計算しましょう」は機械的に、こんな手の込んだ方法で

…学校の先生に教わったとおりに、最後まで一生懸命解いていました

解いている時の顔は、どんぐり問題を解いている時の顔とは全く違い、

誰かに教わった方法に忠実に、解法を思い出しながら一生懸命復元している作業でした

だから、本来の意味はわかっていなくても、

分数の世界のイメージがわかなくても、

計算を解いて解を出すことだけはできるという訳なのです

でももちろんこの解き方では大量の計算問題を解かされた日には日が暮れてしまうし、

ちょっと応用になったらお手上げ

6年生になって四則混合が出てきたらどうするつもりなのでしょう…

しかももう分数の単元はとっくに終わっていて、学校では「習得済み」となっている状態なのです

もう通知表にもつけられてしまったし、わかっていようがいまいが、現担任の先生にとっては

教えきった状態な訳です

 

分数の世界を体感するために、計算問題をたくさん解いてもなんの足しにもなりません

どんぐり問題では「倍」だの、「半分」だの、「半分の半分」だの、

低学年問題からどんどん出てきますが

それは日常でイメージのつく言葉であり、必要な算数体験であり、

そんなに難しく考えることでもありません

 

でも、こんな風に機械的に解く方法だけを教えて、

数字感覚、…たとえば「見当をつける」とか、「概算する」「イメージを描く」等々、

全くしていなければ、

「あれ、どうゆんだっけ」と

あっというまにこの機械的な解き方さえ忘れてしまうことでしょう

 

何度も何度も書いてしまいますが、

どんなに計算問題ができても、

どんなに計算が速くても、

数字感覚が身についていなければ先はありません

 

そして、

何度も何度も書いてしまいますが、

数字感覚を身につけるためには、

どんなに大量の計算問題を解かせても、

意味もわからずパターンで「文章問題」らしき問題を解かせても、

先はないのです

 

先とは?

中学生になって、数学が始まった時わかります

でも、始まってからではほとんど手遅れに近いのです

 

この子も、冬休みの計算練習はどっさり出されたと言っていました

このやり方で解くのかな…と心配になりましたが

年内にこの子に会える最後の授業は終わってしまいました

最後の最後に約分だけはこう教えました

最大公約数なんか探さなくても、

両方おそろいで割れる小さな数を見つけてごらん、

2で割れるかな?

3で割れるかな?

「3で割れる!」

割ってごらん

まだ割れるかな?

「…また3で割れる!」

割ってごらん

まだ割れる?

「…割れない」

おしまい。

これでいいんだよ

と言ったら安心した顔をしたものの、

学校と全然違うぞ、どうしよう…という複雑な表情も見せました

この子は悪くない

どうしてこんな風に悩ませなきゃならないんでしょう…

そして多くの先生が「この解き方じゃなくちゃだめ!」と

ご自身の指導法を絶対的に守らせます

なぜですか?

イコールは横に続けていくよう指導されているわたしの5年生の長女も

わたしに見られるとまた先生の教え方について意見される…と気を遣って

ノートを見せません(笑)

こんな板挟みがありましょうか

リンクするのは千葉県のどんぐり系塾の金森先生のブログです

ひどすぎる指導

こんな1年生の指導法も学校では当たり前ですが

子どもたちは「文章問題」さえも計算問題のように機械的に解くよう指導されているのです

こんな指導をされて「文章問題が苦手なんです」と

嘆いている高学年の親御さんが多いのは当たり前です

どんぐり式から見ればこんな「文章問題」は文章問題とは言えません

しかもたいていのプリントやテストには「くりあがりのある足し算」「分数の足し算・引き算」など、

ご丁寧にどんな計算で解けるかまで書いてありますから

思考力は要りません

なのに

思考力を要する中学の勉強、そして高校入試、そして、この社会を生き抜いていくということ

いつまでも人の教えてくれたパターンだけを使って生きていけというのでしょうか

そんな、小学生の計算問題くらいで大げさな、とお思いでしょうか

小中学生を20年見ていて

人生でなんと重要な、

なんと偉大な期間であるか

体感しているから危機に感じているのです

 

ぷろふぃーる
« 2017年11月 »
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

あーかいぶす

最近の記事

かてごりー

どんぐり学舎 RSSフィードはこちら