どんぐり学舎

かてごりー:小中学生のこと

天才児を育てる…って

たまたまテレビをつけたら、

とある塾を特集していました

「天才児を育てる」とかなんとかいう特集で、

小学生対象の算数塾のようでした

 

先生が独自に開発した教材やゲームを活用し、

飽きることなく取り組むことで天才児が育つのだということで…

 

「単純な計算を繰り返すことでどんどん計算が速くなり、

暗算もできるようになって天才児が育ちます」

と豪語する先生の話を、

スタジオの芸能人はほほーう!と頷きながら聞いていました

 

その教室独自のすごいところ!として紹介していたのは、

休憩したい時に自由に休憩できて、外に縄跳びをしにいく子もいれば、

先生が作った大画面タッチパネルの「ゲーム」で気分転換する子もいます

ゲームは暗算を使って敵を倒すというストーリーでした

 

そして、クイズ形式になっていたのは、

子どもたちがプリントを全問正解?すると

先生がバッグから取り出すあるものを与えています、というところでした

正解は

「金券」

でした

塾内通貨とでもいいましょうか

教室の片隅にある文具コーナーにはその通貨での値段が書いてあり、

金券を集めると好きな文具が買える、というシステムでした

「これならやる気がでますね~」「おもしろそう~」とスタジオもわいわい

 

私は「なんだか懐かしい~」と思いながら見ていました

まだあるんだあ、こういう教室…

かつて「物を配る」部分に経費をつぎ込んだ進学塾は、

今でもうちの地域の業界トップクラスですが、

成績別クラスの底辺クラスは無法地帯

親の悩みにつけこんで、子どもは物で釣る、

典型的なやり口に、まだたくさんの人たちが依存しています

そしてこの塾…

いやいや、結構な人気らしい

スタジオとは別の意味で「ほほー」

 

どんぐり理論とは全てが正反対、しかも、

この手の塾のテレビでの紹介は昭和時代から時々思い出したようにあるわけで

そりゃ、「テレビでやってたから正しい」と思いこむ国民性としては

どんどん正当化されても無理はないわけで…

 

子どもは

単純計算なんて年齢、学年問わず教えればすぐにルールを覚え、

反復練習させれば「天才?」ってスピードでどんどん解きます

タッチパネルのゲーム形式に変えたって同じです

子どもがのめり込む刺激形式に変えるだけで、脳の動きは同じです

安易に、容易に正解が出ることを求めますから、

どんどん、「じっくり考える」ことは面倒がるように育っていくでしょう

でも、「天才?」と見紛うスピード・処理能力は、

「もしかして、うちの子…このまま行けば…」と親の期待を膨らませることになります

そして、

時々出現する「文章問題」に対峙すると、考えるのが面倒な子は思考を拒否

すると「うちの子、計算力はあるんですけど、文章問題が苦手で…」という悩み相談

それなら、うちの塾なら読解力を育てる講座もありますよ♪と

あれよあれよと、塾なしでは勉強できない子のできあがり

業界の努力の賜です

 

子どもは

ある程度の褒美をかざした方がやる気が出て、成績も上がる、と

別のところで教育経済学のセンセイも言っていました

そりゃあね、一瞬はね

私がDKでお菓子を賭けて時々やる「超難入試問題バトル」みたいにね

※小学生にはそんなことしません

この教室の金券システムは?

何ヶ月か、何年か、定点観察をしてみたいものですが

間違いなく、

「正解にこだわる」子が育ち、

まるで稲作が上陸して狩猟採集の平和な生活が一変した弥生時代のように、

金券での貧富の差も明らかになることでしょう

そして、

金券を集めるために努力する習慣がつけば、

何の見返りもない努力をすることに抵抗は感じないのでしょうか

え、ご褒美ないの?金券もらえないの?じゃあ、なんでやらなきゃならないの?

そんな悪魔のようになるわけない、と思いたいのはわかります

同じようにしても、みんながみんなそんな風になるわけではないでしょう

 

子どもの特徴をよく捉えています

子どもはルーティンが好き

いつもと同じ、というのを、刺激を求める大人は嫌いますが、

子どもは「いつもと同じ」で安心します

いつもと同じ、このドリルをひたすら解けばいいんでしょ、と

 

子どもはご褒美が好き

私がクロッキー帳の片隅に落書きするだけでも大喜び

学校で小さなシールを貼ってもらっただけでも大喜び

冗談を言ってあげるだけでも

その子が登場する替え歌を歌ってあげるだけでも

そんな些細なご褒美で大喜び

でも

金品は?

エスカレートするとご褒美ありきになってしまう

 

この方式で、本当に伸びる子もいるでしょう

そういう子はどんな方式だってある程度までは伸びるのです

そして、塾側も想定内

全ての子を伸ばそうとはしていないのです

ついてこられる子だけでいい

金券の貧富の差にたえきれず辞める子もいるでしょう

そして、残るは少数精鋭のみ

かつて入塾に成績表を持っていき、優秀な子しかとらないばかりか、

途中で成績が下がるとやめさせる有名な塾もありましたが、

進学実績がよいので入塾希望者は毎年殺到

え?え?ちょっと待って…

そりゃそうでしょうよ、少数精鋭ばかりなんですから

それを脱落させず、無法地帯のような教室で、

とりあえず授業料をいただくために預かる塾もあり

 

子どもの特徴を「悪用」しないでいただきたい

子どもはもっと純粋で、賢いのです

大人がつまらない型にはめようとすればするほど、

子どもはねじ曲がっていきます

本来の賢さも、優しさも、豊かさも、忘れてしまいます

 

計算が速くできる子が「天才児」

難問もトレーニング次第で解けるようになるでしょうが、それを天才児と呼ぶなら、

その子の心が健全に育っているか、ぜひとも観察することを怠らないで

 

もし、計算が速くて難問も解けて、難関校に合格して、でも、

その子がとても病弱で、顔色も肉付きも悪く、ゴホゴホ咳き込んで食欲もなく、

今にも倒れそうだったら

それでも天才児に育ってよかったね!って思いますか?

目に見える健康状態は素人でもチェックするのは簡単かもしれません

でも、

見た目も健康で、頭脳明晰で、挨拶や言葉遣いもきちんとできる

それでも心が成長を遂げていなかったら?

他人を傷つけ、命を粗末にし、

自分さえよければいい、とたとえば道にごみを平気で捨てるような心に育っていたら

 

怖いと思いませんか

 

それでも天才児に育ってよかったね!って思いますか?

 

 

 

ぷろふぃーる
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